<印鑑の知識>
2007/08/15 日記<印鑑>
印鑑
印章(いんしょう、英:seal または stamp )とは、紙または物品の表面に対して、特定の事実の証明に供することを目的に、文字もしくは模様を印す道具である。
概説
材質は木材・水晶・金属のほか動物の角・牙が多く用いられ、これらの素材を印材と呼ぶ。印材の特定の面に、希望する印影の対称となる彫刻を施し、その面にインク(朱肉・印泥)を付け、対象物に押し付けることで、特有の痕跡を示すことができる。この痕跡を「印影」と呼ぶ。印影(印面)には一般的に文字が使用され、特に篆書体が用いられる。偽造を難しくしたり風水などの運勢に関連付けたりするため印字には独特のデザインが施されていることが多い。偽造防止のため日常生活でも自作の印を使う人も存在する。各種契約の際において、印章の持参は本人であることの証明(または権利者の代理人)とみなされる。また、その印章を用い、記名した箇所に押印(捺印)することで契約を締結した意思のあらわれとみなされる。印章は主に日本や中国などで使用されている。
の『蘭亭序』。歴代の所有者の印章が無数に押されている。陰刻、陽刻など刻体、書体は様々である。
用語
印に関する主な用語はそれぞれ次の意味がある。
:印章または印影であり、一定の権利・強制力を有するもの
:印章や印影ではあるが、記号・情報としての機能しか持たないもの
:はんこの本体側。印材を加工・成形して作られる
:押された結果(紙側)
:照合用の印影印章を用いて、紙面に印影を残すことを押印(おういん)または捺印(なついん)と言い、「契約書に押印 / 捺印する」などというように使用される。印章の側面にあるくぼみは「サグリ」と言う。印鑑という名称についてしばしば印章(はんこ本体)と混同して呼ばれることがある。しかし厳密には実印や銀行印などあらかじめ取引先に届け出ている印影を印鑑と呼ぶ。便宜上、この登録の際に使用した印章も含めて印鑑と呼ぶこともあるが、何の届出をしていない印章まで印鑑と呼ぶのは避けるべきと考えられる。
歴史
印章は紀元前5千年紀|紀元前5000年頃に古代メソポタミアで使われるようになったとされる。当時は円筒形の印章を粘土板の上で転がすもので、認証の道具の一つとして使われていたようである。紀元前3千年紀|紀元前3000年頃の古代エジプトでは、ヒエログリフが刻印されたスカラベ型印章が用いられていた。それ以来、認証、封印、権力の象徴などの目的で広く用いられた。中国
日本
日本では西暦57年ごろに中国から日本に送られたとされ、1784年に発見された「倭奴国王印|漢委奴国王」の金印が最古のものとして有名である。大化の改新の後、律令の制定とともに印章が使用されるようになったとされる。律令制度下では公文書の一面に公印が押されていたが次第に簡略化されるようになり、中世に至り花押に取って代わられた。しかしながら、近世以降次第に復活してゆき、明治時代には、印鑑登録制度などの実印の使用が法的に定められた。
種類
用途による分類
重要な用途の印章を紛失すると、日常生活や商取引において非常に困るため、常用の認印と、重要度の高い印章を、必要に応じて使い分ける。
:一般に申し込みや受け取りなどの証明用として用いられる印。姓(苗字)のみが彫られた既製品が多く、三文判(“二束三文”から。作りも安っぽいため)とも呼ばれる。
:役所に登録(印鑑登録制度)した印章を実印と言う。転じてその登録をする用途に適した印を指す。通常、姓名(フルネーム)または法人代表者職名を彫り入れる。財産(不動産、自動車など)の取引など重要な用途において印鑑登録証明書を添付して用いられる。
:銀行に口座を開設する際に用いる印。偽造を防ぐため、手作りされたものを用いることが多く、転じてその用途に適した印を指す。
:個人ではなく法人(団体)の請求書、領収書、契約書などに、社名や住所に付して確認のために用いられる角型の印。右縦書きで篆書体で「○○株式会社之印」のように彫られていることが多い。
:ある職に就いている者が使用する印。司法書士などいわゆる士業の一部は、その根拠法令において職印を作成し登録するように定められている。また、都道府県知事、市町村長、代表取締役などの印もこれに含まれると考えることができる。
:公的機関の印。大阪市を例に取ると「大阪市印」「大阪市長之印」という角印が用いられている他、「大阪市北区長之印」など各区長の公印、また用途別に「戸籍専用」(住民票・戸籍の写し用に)などの文字を入れた物などが規則で定められている。職印や角印の一種であると考えられる。天皇の御璽もまた公印である。
:書画に押される印章。書画の作成者、所有者、鑑定者によって押される印。特に作者による落款は真贋の鑑定の大きな証拠となる。1人の作者によって複数押されることが多い。
印材(材質)による分類
印章としての機能は同じであるが、朱肉の着きやすさ、耐久性、高級感などに優れた材質が選ばれる傾向にある。ゴム製のものもあるが、印影が変形するため公文書には使用できないとされ、実印としても認められない。
書体による分類
印章としての機能は同じであるが、用途によって書体を選ぶ傾向がある。
主に重厚な書体は法人印や実印として好まれ、可読性の高い書体は認印として好まれる。
:法人の使用する印に多く使われ、個人の場合は実印として使用されることが多い。
:可読性が高く、用途を問わず使われる。
:可読性が高く、認印のほかシヤチハタ|インキ浸透印に多く使われる。
:可読性は比較的低いが、柔らかい書体のため使用されることがある。
:可読性が低く、法人印として使われることは少ない。
:日本で作られた書体といわれ、独特の線の強弱・途切れが特徴。可読性は比較的高く、用途を問わず広く使われる。
:篆書体を変化させた書体。用途を問わず広く使われる。
「陰刻」と「陽刻」
印章は「陰刻」と「陽刻」に区別される。
「陰刻」とは文字が印材に彫られ、捺印すると、印字が白抜きで現れる印章である。「陽刻」とは文字の周りが彫りぬかれ、捺印すると文字の部分に印肉によって現れる印章である。現在では「陽刻」が一般的である。歴史上漢委奴国王印がそうであるように「陰刻」が一般的であった。これは当時、印章が「封泥」にオ捺印するため使用されていたことに由来する。「陰刻」の印を粘土に押すと、文字が凸状になって現れるためである。「陽刻」が一般的になるのは紙が登場し、朱肉が普及してからである。
機能
押印(捺印)は契約等に際して意思表示のあらわれとみなされる。例えば、契約書等に記名(自筆、代筆、印刷等を問わない)し押印する事は、その契約を締結した意思表明とみなされる。併せて印章の使用は認証の手段として用いられる。特定の印章を所有するのは当人だけであり、他の人が同じ印影を顕出する事は出来ない、という前提に立っている。それゆえに、文書に押された印影を実印の印影や銀行に登録した印影と照合して、間違いなく当人の意思を表すものかどうかを確認する。契約などの場面においては、使用された印章を特定しても、「実際に押印した人物」を特定することができないため、印章の所有者の意図しない不正使用などをめぐり、のちに争われる事態となることもある。裁判においても、私文書に押される印の有無は当該契約の有無、契約にかかる義務や責任の有無を示す重要な書証#形式的証拠力|証拠となる。民事訴訟法228条4項では、契約書に署名又は押印のある契約は成立が推定#推定(法律)|推定される。また、判例では、印影が本人の印章による場合には本人の意思に基づく押印であると推定され、契約の締結も本人の意思に基づいてなされたものと推定される。この契約の存在を否定するには押された印章の所有者側が反証しなければならない。
印鑑制度の限界
日本の金融機関では預金通帳と登録した印鑑を照合することで口座取引を可能としていた。この仕組みを実現するため、預金通帳の表紙裏面に、登録に用いた印章の印影を転写した印鑑票(副印鑑)が貼付されていた。銀行印の登録原票は口座開設店にあり、登録印鑑の照合が出来るのはその店にのみ限られる。そこで、通帳に副印鑑を貼付けることで、他の店でも印影の照合、そして口座取引が可能となった。ただし、印鑑と預金通帳があれば預金を引き出すことができるため、第三者による悪用を防ぐためには印鑑に用いた印章と通帳は別々に保管することが望ましいとされた。しかし、近年では副印鑑をスキャナで読み取って預金払戻し請求書にカラープリンタで転写したり印影から印章を偽造するなどして、登録に用いた印章を所持せず他人の口座から預金を引き出す手口が現れ被害が後を絶たない事から、副印鑑の貼付を廃止し、代えて登録原票をデジタル情報として蓄積し、いずれの本支店でも参照できるようにして、口座取引を何処でも出来るようにする方法が普及しつつある。類似の概念
署名
氏名を自書することであり、筆跡によってその署名した個人を特定することが可能である。多くの場面で、署名が記名押印と同等のものとしてその効力を認められており、刑法の「印章偽造」やいわゆる「有印公(私)文書偽造」といった罪においても署名が印章と同等に扱われている。なお、商法においては署名が本来の形で、その代わりとして記名押印が認められている。
拇印
印章を持ち合わせていない場合、印章の代わりに拇印(ぼいん)を用いる事がある。拇印とは、拇指ないし人差し指の先に朱肉をつけて押す印のことであり、指紋により、押印した個人を特定することが可能である。但し、署名が記名押印と同等のものとして広く認められていることもあり、警察での供述調書、被害届などの特殊な文書以外の公文書への拇印はあまり用いられない。
その他
日本において、スタンプと言う場合は、特に判(またはゴム印)をさす。
ゴム製の印章とその印影は、力や熱のほか、経年により変形するため、公文書などへの使用はできない。
著名な印章
印章に関わる身分等
関連項目
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