<養子縁組の知識>
2007/09/24 日記<養子縁組>
養子縁組
養子縁組(ようしえんぐみ)とは、具体的な血縁関係とは無関係に人為的に親子関係を発生させることをいう。
養子縁組制度が必要となる理由
いわゆる家父長制を基本とする家族制度を採用している場合は、家長の後継者を得るための養子縁組制度が必要となる。要するに家のための養子縁組である。古代ローマの制度はこのような制度であり、日本においても、日本国憲法の制定に伴い家族法が大幅に改正される前の養子制度は、基本的に家制度を維持するための制度であった。また、これとは別に近代以前の東アジアではより擬制的な親子関係の色が強い「義子」(中国)・「猶子」(日本)などの制度があった。その後、ヨーロッパでは、中世に入ってから実際の血縁関係が重視されるようになったことに伴い、後継者を得るための機能を果たさなくなり、親のための制度としての機能を果たすようになる。つまり、子を養いたいという本能を満足させたり、老後の扶養を得ることを目的とする機能を有するようになる。それから19世紀中頃に入り、アメリカ合衆国|アメリカで、恵まれない子供に家庭を与えるための養子縁組制度、すなわち子のための制度が導入され、ヨーロッパでも第一次世界大戦により孤児が増加したことに伴い、子のための養子縁組に関する養子法制が導入されることになった。日本においては、日本国憲法制定に伴い改正された家族法が子のための養子という観点を導入したが、本格的な導入は1988年から施行された特別養子制度を待つことになる。養子縁組制度が必要となる理由は以上のとおりであるが、法制度の建前はともかく、現実的には色々な事情により養子縁組がされるのが実情である。日本の場合に多く行われるのは離婚後の再婚に伴う連れ子の養子である。しかし、成年に達している者を養子にすることが法律上可能であることもあり、その他の場面においては子のための制度としてはあまり機能していない。具体的には、自己の孫を養子にすることにより相続税の節約を図る節税養子(ただし、税法が改正され、控除の対象となる養子の数は限定されている)や、男に家を継がせるためのいわゆる婿養子などが行われている。なお、イスラム国家では、全く養子縁組を認めない国がほとんどである。
養子縁組の成立構成
養子縁組を成立させるための法律構成としては、契約型と決定型とに立法例が分かれる。
契約型
契約型とは、養親となる者と養子となる者の契約により養子縁組を成立させる形態であり、スイスやオーストリアなどで採用されている。また、ドイツやフランスでも以前は契約型が採用されていた。日本では、民法792条から817条までに規定されている普通養子がこれに該当する。契約により養子縁組が成立するとは言っても、養子となる者が幼少である場合などは自ら有効に縁組契約を結ぶことは不可能なので、そのような場合は法定代理人などが代わって縁組の承諾をすることになる。日本でも、養子となる者が15歳未満である場合は法定代理人が養子となる者に代わって縁組の承諾をする(代諾養子)。また、養子となる者を保護する観点から、契約型を採用する場合でも公的機関の関与を要求することがある。日本でも、未成年者を養子とする場合は、自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合を除き家庭裁判所の許可が必要となるし、後見人が被後見人を養子とする場合も、家庭裁判所の許可が必要となる。
決定型
決定型とは、公的機関の宣言によって養子縁組を成立させる形態であり、多くの場合、養親となる者の申請に基づき裁判所が養子決定をする形態を採る。コモン・ロー|英米法を基礎とした国や現在のドイツ、フランスなどで採用されている。日本では、民法817条の2から817条の11までに規定されている特別養子がこれに該当する。
養子縁組後の親族関係
養子縁組によって養親と養子、養子と養親の血族の間に法定血族関係が生じることとなる。
また養親と養子の元々の血族との間には法定血族関係は生じず、縁組み後に養子に生じた血族と、養親及びその血族との間には法定血族関係が生じる。
養子縁組後の実親子間の親族関係
養子縁組が成立した場合に、養子とその実親との間の親族関係が終了するかどうかについても立法例が分かれる。親族関係が終了する制度を採用する場合は、養子と実親の一方が死亡した場合、他方は遺言による場合等を除き相続権を有しないことになる。ただし、親族関係が終了するとしても、近親婚を避けるための措置が採られることが多い。日本の場合、普通養子の場合は実親子間の親族関係は終了しないのに対し、特別養子の場合は親族関係が終了する。
関連項目
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